5. メ ン テ ナ ン ス と 測 定  



 除虫屋の武器が壊れた時とかは、除虫屋の専門武器士が新たな武器を作ったり、また直したりする。

 除虫屋の者が怪我をした時は病院でしかるべき措置を受ける。例外もいないことはないが、後ほど「研究」と言われて病院に担ぎ込まれるので、結局病院に行く事になる。

 だが。内部に関しては実はわからない。やっぱり志賀あたりは「中性脂肪が今年はどうなのか…」とか言っている。
 人間オーバーホール。人間ドッグである。これに関してはすべての除虫屋対象であって、普段戦闘に参加しない情報屋などもすべて入る。
 全員雁首揃えて指定されている病院へと向かう。除虫屋の人間ドッグは一泊二日だ。一日目が普通の人間ドッグであり、二日目が能力に関するテスト…これは情報屋のみは外される…が行われる。これにより、レベルが増えたり減ったり新たな除虫方式があると報告されたり…とまぁ、忙しいことなのである。
 今回指定された病院は、結構遠くにある病院で、全員が行ったことがない病院である。バンの中はさぞかし五月蝿いのだろうかと思いきや、通夜のような静けさである。

「はら…へった………」

 前の晩の9時から食べ物が食せない高校野球の万年欠食児童がぼそーっと言った。

「言うな…忘れてる…つもり…なんだ………」

 もう片方の高校野球児が言う。バンの中ではさかんにきゅうきゅう、ぐーぐー、ぐるるるる…と何か違う世界に来てしまったかのような音が響いている。
「お前ら、レンを見習えよ。」
 お前らよりも年下で何も言わないぞ?という巣山の言葉にレンへの視線が集中する。車中で何か本を読んでいたレンはその視線に驚き、ぴゃっと飛び上がる。
「な、なに?」
「そーいやーレン、お前腹の音させてないよな?」
 花井の言葉にそういえばそうだね、と隣に座っていた沖がレンの腹を見る。
「え あ。ああ。 あ の。」
 しばし田島とのやりとりをした後、田島がぎょっとした。少し理解のできる泉もぎょっとする。三橋の日本語は少し難しいのだ。普通の人が聴くには。
曰く「二・三日食べなくても平気だし、うまく集中しておけば腹があまり動かないようにできる。」との事。
「レン、こわいこっ!」
 フミキ死にそう!とくねくねっとしながらほざいた相手には、運転している阿部と良く状況を判断していないレン以外からの力のない鉄拳制裁が待っていた。
「はー、とりあえず今日をどうにかしないと生きていけないね。」
 栄口もはー、とため息をこぼす。
 ぐー、と西広の腹が鳴った。


お腹すいても食べられない……あの苦しみはやった者しかわからない 笑

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