へーきだから。モモカンは!
怖くはないと言ったら微妙だけど人思いの良い人だ。
朝ごはんのいいかおりを香水がわりに三人がフロアに来る。仲間と挨拶しながら部長室のドアをノックする。
中からはあいと声がして、女性が顔を出してくる。
「はよ。しのーか。」
「おはよう。田島くん。泉くん。あと三橋さん。」
「うぇっ、は、はい!」
びくりと竦み上がった三橋にごめんなさいと謝りながら、篠岡はドアを全開にして、車椅子が入りやすいようにする。
「ちょっと待ってね、部長に言ってくる。」
篠岡の秘書用の部屋を通し、奥のほうから「部長、田島くんと泉くんと三橋さんがいらっしゃいました。」という声がかすかに聞こえてくる。「入って平気よ!」と違う女性の声がすると、篠岡が出てきた。
再度ドアを全開にして入る。二人には見慣れた、三橋には初めての風景が見える。
「おはよう!泉くん。田島くん。」
「おはようございます!」
「はよっざいまっす!」
「そして三橋さん。先日はわたわたして挨拶が遅くなりました。私が部長…部下からモモカンと呼ばれています百枝まりあといいます。」
「あ… み、 三橋 廉 です。」
にこっと笑った顔には恐ろしいものはない。
「じゃあ、田島くんと泉くんは仕事に戻って!」
こっちのほうが驚いた。
「三橋〜頑張れ。」
「なにかあったら叫べよ…ぎゃん!」
ろくでもない事をほざいた田島がモモカンの手元にあった書籍にデコ直撃。
…
……
………
そうして微妙な空気の中、部長室はモモカンと三橋のみとなった。