田島がきてすぐに、思い思いの高レベルの隠密スタイルをとった3人であるが、水谷は「これでもちょっとヤバいかなぁ。」とぶつぶつ言っている。やはり隠密と言ったら黒。三人とも真っ黒な格好である。ネットの中も殆どが真っ暗。しかもここはアンダーサイトの広がる場所だ。更に暗くてウイルスやら何やらがうようよしている。そんなのにいちいち気にしていたら面倒なので、透明で固いファイアーウォールを身にまとい、近寄るウイルスを全て蹴散らしている。
「いい?到着してウォール張ったら、絶対に動かないこと。ばれて逃げられたらショーが台無しだし…こっちもやばい。」
 水谷の言い方に、二人はごくりと唾を呑む。
「ファンは結構いるから、いい場所とるにはもう行かないといけないんだ。じゃ、行くよ。」
 水谷が、虚空を蹴った。瞬間、場所が移動する。
「結構離れた場所に座標を仕込んでおいたから。……もう少しいいな。」
 少し進んで、三人で円形のファイアーウォールを作り、座り込む。見えないが、あちらこちらでも同じようなことがなされているらしい。

「He name is NO Name……」

 水谷がぼそりと言った。
 田島も泉もはっとした顔で水谷を見る。
「うそだろ?お前が居場所突き止めたのか?」
 伝説の人物?あらゆる場所に現れ、ハッキングをしていくというモノ。0と1しか存在させないモノ。NO Nameとは誰がつけたのか、妙に合っていてうまいと泉は思う。
「会えるのか?ここにいれば?」
 途端に興奮する二人をまぁまぁと水谷は抑える。
「居場所は分からないし、名前もやっぱり分からない。ゴーストとかなんとか言ってるヤツもいるけど、 やっぱりオレはNo nameのほうがしっくりくると思うね。今日、ここをベースにして作業するって話が入ったんだよ。だから来てみようかと。…信じられないモノがかなり見られるよ。」

 へらり、と笑って水谷が指を指す。

「情報が正しいと、あそこで行われ……はじまって?