田島がキンッとボールを打った。ボールはあっという間に消えていく。
「追うぞ!」
 泉ががっと走り出す。
「え?え?」
「トロトロすんなよ!ボールが落ちる前につかないと、ボールが消えて教えてくれないんだよ!」
 うひゃーっといいながら水谷も走り出す。速度をアップさせるソフトはあんまり強化してない。しかし。
「田島!えいっ!」
 ぺたっと田島の背中に粘着性のあるモノをくっつける。ロープ形状になってる先には…水谷。
「明日までに速度アップのアプリ組むから…今日はこれにて堪忍!」
 自分への負荷であるGがぐんとかかる。これだけの速度を出している田島たちのアプリはどういう改造しているのだろう。
「おー!こうやってついて来られるのはお前が4人目!」
 ニシシシシシシと笑いながら田島が走る、走る。………ロープがきしむきしむ。既に水谷の足は宙を浮いている。
「そ、それはコーエーです!」
 きっしりとロープを握りしめ、水谷は叫んだ。

 た、確かに9課にいるのは難解そうだ。

 水谷はトホホと思っていたら急ブレーキ。田島はひょい、と避ける。
「どあああああああああああああああああ!」

「やかましい。」
 田島の横を、水谷が飛んでいった。泉が違うモノをがしぃっと受け止める…ボールではなく、水谷の頭を。
「うーん、仕込みがいありそう。」
 水谷のロープをぐいっと握って水谷のグローブを持った手をういせっと持ち上げると。

ポスッ

 見事、ボールがすっぽりと中へと入っていた。
「すげー。」
 泉がぺひょぺひょと拍手する。

「お。ここいつか見た違法サイトだ。」
「早速花井に連絡だな。」
「ふぐぉぉぉぉ………」

「さーて、ボールはまだ消えてないし!いっくぞー!」
「おーよ!」
「ハーイ……」

 ネットの中で、ボールを打つ音が何度か響き渡った……。