「なぁ、田島、泉。」
 朝、早速待っていたのは……早速ゴーグルを使ってのネット巡回だった。
「ん?なんだ?」
 当たり前のようにボールとバットを持って、田島が振り向く。
「なんで巡回にバットとボールとグローブなんだ?」-
 水谷が普通の人のように言う。いや、普通の人だろう。特殊な能力はともかく。リアルな世界にはあっても、リアルではない世界には到底ありえないもの。
「ああ、これ?」
 ほいっ、と水谷にグローブを渡す。わっわっわっと言いながらも持つ。なぜか出てくる冷や汗。あまり焦りすぎるとネットからたたき出されるから注意だ。
「誰かは知らないけど。なー。」
「そのボールとグローブ使うと、違反者の所に連れて行ってくれる…あ、お前もそれでバレたんだ!」
「これか!」
 水谷はしげしげとそのグローブを見る。作ったヤツはどういう性格なのか、綿密にCGを作ってあり、そして、誰が作ったかも分からないようになっていた。田島も泉も何も言わないところを見ると、相手は知っている人間か、もしくは本当に知らないのか。二人の表情……すげー楽しそう……からは全くわからなかった。
「さー、今日は二人いるってコトだから、びしばし行くぞー!」
 田島がいえーい!と片手をあげる。
「おー!」
 泉がやる気のありそうでなさそうで、でもやっぱりありそうな反応を返す。
「お、おお?」
 ノリがイマイチわからない水谷。
 こうして巡回が始まる。