「会社」に攻撃を仕掛けると西広を通じて聴いた花井は「マジかよ…」と突っ伏しそうになった。実際突っ伏した。メンバーはあのメンバーに水谷。そして何故かわからないが浜田と名乗る三橋の知人が入り、更に三橋のホームはわちゃわちゃしてきていた。
「おい、阿部、作戦を教えろ!」
 花井が思わず怒鳴る。返ってきた返事は「フレキシブルに。」要は「行き当たりばったり」だ。良く西広たちが許したと思ったら、向こう側もえー!とか声が上がっている。同じ考えか、巣山、沖、西広よ…
「花井課長!」
「何だ?」
 怒りを部下にぶつけてはいけないと努力する。円形脱毛になったらどうするんだ?全く。
「ワクチンのバージョンアップ版、来ました!」
「検証は簡単に。三橋!バージョンアップ版くれたか?」
 「送信したって」と西広がかわりに答えてくれる。三橋のモノであれば一応は無事だろう。
 「花井!三橋から伝達!」巣山の声にパソコンからもう少しでのけぞりすぎて転びそうになる。
「な、なんだ?」
「花井のサイズが手のひらサイズになってもいいならゴーグルの簡略版のファームダウン送るって。」

手のひらサイズ?ファームダウン??

「オレはこっちでパソコン側を担当する。手のひらサイズはごめんだ。」
 違いない、違いねぇ!と泉や田島の笑い声が聞こえてくる。るっさい!と言っている聞いた事のない声が浜田なる人物なんだろう。
「三橋のワクチン関係も完了したから、出発みたい。」
 確かに三橋以外の声で驚愕と驚嘆の声が上がっている。
「ホームの外に出たら、5人分のマーカー用意しておいてって阿部が。」
 近くにいたモモカンに視線を向ける。モモカンはうん、と頷く。
「今回はいつものマーカーは使えないから、さっきのマーカーを使用するからな!」
 「それでいい!」と阿部の声が戻る。三橋は何してんだ?と西広にそっと尋ねると、「会社のファイアウォール対策の壁作りみたいだね。」という返事。

行ってみたい。が。

「…分かった。お前らのコンピューター側の制御は任せろ。」

 おお!頼んまぁ!よろしく!と元気な返事が返ってきた。
 マーカー作りは急ごしらえでもきちんとしたモノを作らなければならない。
 花井は拳を一度ぎゅっと握ると、キーボード・モニターと対峙した。