「たじまく ん?」
遡ること昼休み。泉と田島と三橋は食事をとっていた。泉の食べるスピードが通常の1.2倍だとすると、田島のそれは約1.8倍。三橋に至っては2.1倍くらいか(これでも泉がゆっくり咀嚼させることを教えてこの速度になった)。だが、その田島の食べるスピードがいつもの半分以下だったのだ。
「どした?田島?」
「んー…………」
田島も困った顔をしている。そして最後、パタン、と弁当箱を閉じてしまったのだ。食べかけの!
泉も三橋もこれには驚いた。
「…槍でも降るか?」
「た…たじま くん へい き?」
三橋のほうが病人みたいな顔になっている。
「んー………平気、だと思う。」
「なんで「だと思う」なんだよ?」
「いや、病気したことないから。」
なるほど。
「帰り、病院寄ってけよ。」
「えー、ウザい。」
病院っていったらここらならチャリでもかなりかかる。
「ウザいっていってたら、取り返しつかねーこともあるぞ。」
『取り返し………?』
異口同音に三橋と田島が泉を見る。あー、これだから。
「内臓破裂とか…その…」
「た、たじまく んっ!」
真っ青な顔をした三橋が田島をじっと見る。涙目で。
「病院、行ってくださ い。」
懇願というか、これ恫喝じゃね?
泉はちょっと笑いそうになってしまった。だが、ここは気を引き締めて。
「ある程度練習したら、早めに引き上げて、病院行け。後でモモカンと花井には言っておくから。」
「えー。」
保険証ないしー、とかぶつぶつ言っている田島に珍しく三橋が積極的になった。
「お…オレ…も、いっしょに…い いいくか ら!」
「そかぁ?」
ぶんぶんと首を上下にふっている三橋を見て、田島はしばし考えた後、
「んじゃ、三橋とキャッチボールしたら行く!」
その言葉にややためらったが…
「い いい よ。」
三橋も頷いた。