話し終わった後、泉は無言でいちごミルクのパックをあけ、三橋に手渡した。
三橋はぽろぽろと泣いている。自己嫌悪の海を漂っているのか。
「でもさー、じーちゃんが理事長だからって、エースできんのかー。」
すげーなー、と田島はポテロング・チーズ味のパッケージを開けた。ついでに何かアイテムを出している。
「み…みみ…みん な、叶く んに…投げさせ…たかったんだ…でも…オレ…」
ぽろぽろ、ぐしぐし。
そんな姿を見ながら、田島はポテロング・チーズ味を取り出して、そのアイテムを手に握った。
「おーい、三橋。みーはーしー。ちょっといい?」
田島がまずこれ食べて、と1本手渡す。いいよ、と断ってくるのは分かっていたので無理矢理。
ぽりぽりと仕方なしに食べ終わると、田島はにぃっと笑った。
「さて、ここにライターがあります。」
カチッと押して火を出す。一体なにをするんだ?と泉も、そして三橋も涙をひっこめて田島を見る。
「そして、ここにポテロング・チーズ味をとりだしまーす。」
ま、まさか…
泉と三橋は同時に思った。
「というわけで、軽くあぶりまァす。」
ライターの炎から少し離れたところにポテロング・チーズ味を水平に持ち、あぶる。するとジワジワジュージューという音と共に焼けたチーズのいい香りが漂ってくる。
「ほい、ちょっと熱いからぬるめが美味い。食べてみろ。だまされたと思って!」
大体片面の半分をあぶった状態で田島は三橋にまた問答無用で手渡した。三橋は今度は興味があるのかじーっと見た後、ぱくっと食べる。
カリカリカリ…
三橋の目がびっくりの目になる。そして田島に視線を向ける。初めて見る、尊敬のまなざしだ。なんかキラキラとしたモノが放出されてる。
「うまいだろー?泉も喰うか?」
「当たり前だろ!」
ほいほい、と言いながら田島はまたライターでポテロングをあぶり出した。
「ほれ、泉。」
「お、サンキュ。」
これまたぱくっと…「あちっ」と言ったのは早く口の中に入れてしまったせいだろう。
「…田島…ちょっと、これマジで美味い…」
チーズがこんがり焼きチーズ味で、風味も変わる。サクサクという歯触りが少しカリカリになる。真面目に美味いのだ。
「へっへーん。小兄ちゃんに教わったんだ!」
田島も自分のぶんを作って、ちょっとおいてカリカリと食べ出す。
3人はしばらくあぶっては食べ、食べてはあぶってを繰り返した。