気づいたら夜だった。どうやらあの激痛の終わりに疲れたかして気絶か寝たかしたらしい。
 ここまできて、レンは全身が熱っぽいことに気付き、結構高熱であることに気付く。ひどく喉が渇き、恐ろしいくらい腹が減っていた。
 気付くと体の反応も早い。

ぐうぅ〜

 腹までもがお腹すいたを訴えだした。
 むくりと起き上がる。実に2ヶ月ぶりの身体の動きなのだが、熱で少しふらついたものの、いつもの状態であった。
 起き上がった時、枕元でかさり、という音がする。常夜灯ごしに見ると、『起きたらナースコールを押す』との文があった。ナースコールってなんだろうと思うと、紙があった場所近くにケーブルに繋がれたボタンがある。
いいのかな?いいのかな?と思いながら押すと、遠くのほうで何か音がした。なんなんだろうと思っていると、複数の足音が隣の部屋から飛び出してきた。
「レン!」
 最初に小声ではあるが聞き慣れたそれは田島だった。
 いやっほーい!と抱きついた田島の後頭部を早速泉がはたく。どこから出てきたかわからないスリッパで。
 すぱーんといい音が病室に響く。
「レン、熱ある。」
 花井と阿部に引き剥がされながらも田島は重要な事を言い、レンはレンで重要な事に気付いた。
「血の匂い…」
 田島から血の匂いがするのは何故?と考えた瞬間に記憶がフラッシュバックする。
「田島く き ず…」
 罪悪感が満ちていく。涙がにじみ出てくる。
「田島は平気。自分で作ったようなもんだもんね。」
 栄口が笑いながら田島に言う。
「そーだぜ。レンが泣くことねぇし。」
 田島はニカッと笑いながら、モモカンとシガポと医師と眠そうだが鼻息荒くやってきた。
「あれからお前、また癒し手の眠りに入ったんだぜ!」
「へぁ?」
「とても薄い膜だったからすぐに治るっつーことで、今日はお泊まり。」
 泉が追加で説明を入れる。
「本当に起きるとは…負けた。」
 喜んでいるのかいないのかわからない沖の発言に阿部がニヤリと笑う。
「今回は何を?」
「ノート集め。」
 花井のため息まじりの声に阿部がこれまた嬉しそうに返す。
「あー…ノート…西広。」
「全学部は無理だよ。」

 えー!という声が学生組からあがる。
「水谷!」
「オレも半分。」
 ふふふと笑う水谷に学部はという質問が殺到した。
「ねぇ、キミたち。」
 わいわいとしていた病室を襲った一つの声は、怒り絶頂の栄口のであった。
「熱出している、目覚めたばかりの子をほっぽいといて、何してるのかな?」
 高校生組は気配を察した田島がレンをベッドに押し込み、同時に耳をふさいだので無事であった。学生組は背中から液体窒素をかけられたかのように動かなくなった。
 それを横目でみやり、レンがもぞもぞでてきた姿を視認した時にはナチュラルな栄口であった。
「喉は渇いてない?食欲は?」
 今の事を知らないレンは顔をぱっと明るくしてこくこく頷く。用意してきたからね。と夜食の準備を始める。
 学生組は何も言えずにただそれを見ているだけだった…。

ためこみすぎ……

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