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「じゃあ、オレ、そろそろ帰るよ。」
音もたてずに叶は立ち上がる。え?という顔をしながらそれを見上げるレンも慌てて立ち上がるが音はしない。 「ど どこ に 住んで いる の?」 一度会いに行きたい。とその顔には書いてある。叶は苦笑しながら答える。 「遊撃隊みたいな所だからな。日本に数カ所、拠点を持っていて、日々転々としてんだ。」 だから、レンに会いにこれたのはたまたま近くの拠点に自分がやってきたから。と言う。 「また あ あえ る?」 レンの目の端に涙が浮かんでいる。それに苦笑を浮かべつつ「ああ。」と力強く答えた。 「レン、すまないけどオレの武器、ちょっと見ておいてくれないかな?」 「う うん?」 言われるがままに…と、花井に視線を向ける。花井は水谷に小声で「ニシヒロ工房」と告げた。 「レン、ニシヒロ工房だよ。オレも一緒に行くから。」 花井の意思をくみ取って、水谷が声をかける。 「う うん。」 立ち上がって、水谷と一緒に地下一階のニシヒロ工房まで行った。パタンとドアが閉まる。 「……で。レンを遠ざけて、何を?」 「あんたたちにはこれを渡しておく。これだけしか持ち出せなかったけどな。」 背中からぱっと茶封筒を出した。武装解除させた時にはなかったのに…一体どのくらい何がどう隠してあるのか既に分からない。それよりも。 「これは?」 栄口が受け取りながら尋ねる。ちょっとあったかいのはビミョーな気分にさせたが、その中身のほうが気になった。 「暗殺部隊にいた時に定期的、と実験的にとられていたレンのデータとカルテ。あの時処方されていた薬とかも全て書かれてある。」 ひゅっと花井と栄口が息を飲む。 「あの「水谷」とかいうヤツが一緒に行ったのは…やっぱりレンは他人も癒せる「癒し手」だったんだな。」 叶の言葉にややあって、二人とも頷く。叶はそれで満足げに頷いていた。彼もレンの力になりたかったのだろう。でもなれなかった。少し悔しそうな視線を虚空に向け、二人へと戻した。 「あいつはあの力が自分しか働かないことをずっと悔いていた。」 あの激痛を伴う、自分用の癒し手の力。 「あいつの過去に問題がある、ということであらゆる手段がとられた。催眠とか投薬とか…でもダメだった。」 その時を思い出しているのだろう。叶の瞳は哀しげに俯いている。 「その情報はもうその紙をおいてどこにもない。自分たちのデータとかも確保した後、全部機械は壊した。オレたちもそうだけど…レンがもしあそこで命を落と していて、その情報が流出したら、あそこの研究所のバックについているとある大企業がオレたちを潰しに躍起になることは分かっていたから。」 「自分たちのため…か?」 花井が言った。そして困惑した。何故そんなに冷たい声が出たのか自分でも分からないと言わんばかりに。 「それもあった…でも…その時、レンは三重のロックのかかった研究室にいた。あいつが危険を感知した時に無意識的に出す「護り手の壁」は同時に癒し手の力 も含んでいる。…機械を破壊しているうちに、虫が侵入してきて逃げ出すほか…なかった。レンは生きる。それしか信じるほかなかった…」 拳が強く握られる。 「もう言い訳にしか聞こえないだろう。でも、オレは、レンの力に賭けた。…そして今、ここでレンは楽しく暮らしている。」 オレが入る余地はない。と呟いた |
かのたんは、ミホシ時代でも仲良かったんです。んでもって、色々と悔いていたんです。
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