ここに阿部・泉・田島の濃いぃメンバーがいなくて良かった。と花井はしみじみ思っていた。巣山あたりでも難しい…というか、栄口をどう扱えばいいのやら………水谷ではストッパーにもなりはしない。彼の作った壁なら1センチの発泡スチロールよりも2センチのバルサ材よりも薄い。
 ちょっぴりきしむ胃袋を感じながら、無音になった室内を見回す。

 どしよか、どしよか。とあたふたきょどきょどしているレン。
 栄口の顔を恐る恐る見ている水谷。

 栄口は………仁王立ち。

 どないせよと。

 花井の額に汗がつつー。

「叶くん……だったっけ?」
「は、はい。」

 暗殺者もたじろぐこの怖さ。………と、レンを見ると、既に栄口から一番離れた場所でガタガタブルブルと震えている。やはり鬼気迫るものがあるのだろう。栄口、喜べ、お前の恐ろしさは暗殺者にも公認されたぞ。

「レンは、もうニシウラの「護り手」として登録されたんだ。」

にこり。

ぞわっ

 笑顔一つで温度を下げることが出来る除虫屋は栄口をおいて他はないだろう。
「だから残念。レンの意思がないと……レンは行きたい?」

 全員の視線がレンに集中する。「ぴゃっ」という声が聞こえたが、視線によって潰される。恐怖によって表情は塗りつぶされている。

「なぁ、レン。こいつにこき使われてないか?」
こそこそ
「使われてない よ。」
こそこそ
「お前の前のマスター以上の迫力あんだけど…あの年で。」
こそこそ
「それ………は………」

ちょっとレンは考える。顔をあげた時、いつものレンの顔に戻っていた。おどおどとしても、ちゃんとした声で。彼にしては、だけど。

「オレ は、ニシウラ に、いる よ。」

ごめん な さい。とレンは謝った。
叶は何も言わなかったが、落胆の表情と、何か吹っ切れた顔をしていた。


やっぱり栄口さんは最凶です。阿部よりも 笑

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