| 3. 帰 省 |
| ガタン、ゴトン。 電車が規則的な音で走っている。ニシウラの最寄りの駅から二駅。そこから歩いた所に田島の家がある。と本人が言っているのだから間違いはないのだろう。ニシウラではいつも顔を合わせている仲間でもあり親友でもあり、そして兄代わりでもある田島の、家へと「遊び」に行くのだ。 「オレん家、農家やってっから、美味い野菜がどっさり食べられるぞ!」 田島はそう言ってニィと笑う。レンはそれにウヒと笑う。 「次の駅だからな。切符は持ってるよな?」 「う ん!」 レンは頷く。片手にちゃんと握っている。汗で湿ってしまわないように、でもしっかりと。 「楽しみだなー。レンと一緒にサトガエリ。遊びまくるぞー!」 「う うん…め 迷惑じゃ な い?」 「迷惑?そんな事誰も考えないぞ!レンと遊ぶ!遊びまくる!これで以上!問題は?」 あるのかな?と考えようとすると田島が「そーかそーか。よし、遊ぶぞ!」と話しを進めてしまったのでいいのかな?と珍しく前向きに考えようとした。 「スーパー銭湯に野球観戦にカラオケにゲーセン!楽しそうだろ?」 内容は半分も理解できなかったけど、田島の口調は楽しそうで、うん。と頷く。「だよなー。」とニシシと笑いながら、レンの背中をバンバンと叩く。 こうしてはた迷惑な二人は中で注目を浴びながら、電車は静かにホームへと滑り込んでいく。田島の生まれ育った町へ。 それぞれの人生があるように、やはりそれぞれ家族がいる。老若男女、自分がいるのだから、父親も母親もいる事は確かである。栄口の母親は既に亡くなっているという話を聞いたが、それ以外の面々にはそれぞれ家族がいて、家がある。仕事をしている以上、休みだってある。 除虫屋ニシウラの館で集団で住んでいるメンツだってそれは同じで、今回は田島だった。この時のみは常に携帯していなければならないピンズも外して良い決まりになっている。金土日の、二泊三日の帰省だ。 |
今回の話は半端なく暗いです。
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