目蓋を開けるのが、凄く億劫だった。

 目蓋を開けるのが面倒だから、うとうとと睡眠に戻ること何度か。

 漸く目蓋が軽くなってきたので、少し開けてみた。チカチカとする視界。
 ぼーっとした頭は、まだ思考するまで至っていない。横になっている、ということは理解はできた。
 身体が軽いのか重いのかすら分からない。
 部屋が真っ暗なのは分かる。なら夜?

 まだ良く分からないから、また目蓋を落とす。落として、次には光が満ちていた。

 人がいた。

 あっちも気づいたらしく、ニィーッと笑った。すたすたとこっちにやってくる。不思議と恐怖はなかった。
「起きた?──?」
 黒い髪の毛が光に反射してきらきら光る。
「まだ寝ぼけてるのかな?待ってろ?サカエグチ呼んでくる!」

 彼はどたばたと部屋から出て行く。
 まだぼーっとした頭では何も考えられない。考えつかない。
「起きたって?」
 もう一人やってきた。
「ほら。…ちょっとぼーっとしてるけど。」
 サカエグチとかいう人はじーっと見て、「まだ理解しきれてないんだね。」とにっこり笑うと、ほら、とマグカップを手渡してくれた。中には白い…ぬるめのホットミルク。
「砂糖たくさんだよ。」
 飲んでみる。美味しい。ぼーっとしていた頭がゆっくりと動き出す。こくこくと飲む。喉がすごく渇いていたみたいだ。だんだん頭がクリアになっていく。
「レン、起きたか?」
「はい、まず自分の名前は?」
「え……う う 三橋 廉。」
「オレは?」
「た 田島 くん。」
「オレは?」
「栄口 くん。」
「うん。ブドウ糖の威力は絶大だ。」
 にっこり笑って栄口はドア越しに呼んだ。
「全員、入っていいよ!」

がちゃ。

 開いた瞬間、どわーーーーーーーーーっとニシウラのメンバーが入ってきた。一人用の部屋があっというまに人で埋め尽くされてしまった。
「 う ? え?」
「眠り姫が起きたってな!」
 田島がニシシシと笑って、レンの背中をぽんぽんと叩いた。


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おはよーございまーす。