『え?なに?これ?』
 栄口が叫び声をあげる。
『あー、これレンが寝てた時のと同じだー!』
 のんきな田島の声。
『なんだそれ?』
 泉が不思議そうに言って…「ああ、あれか。」と納得する。
「護り手の「障壁」だ。」
 阿部が断言する。どうやらレンは何かを見つけたらしい。瞳を閉じて、びくびくしながら両手の指先を光らせている。緑色に。

 おかしい。護り手は一度術を放ったら、解除するまで普通に動けるはず……

「泉!田島!栄口!水谷!今の自分たちの身体の状態及び体調を報告!」

『泉…打撲みたいな…あれ?消えてる。』
『田島!なんか疲れがとれてっぞ?』
『栄口。確かに疲労感が減って楽になった。』
『水谷。身体が楽〜。』
「花井。」
 隣にいる、今も結界にダメージを受けている結界士に問う。
「ああ。」
 今この瞬間も虫たちが結界を破ろうとしている。だが、負っていた痛みがかなり軽くなっている。

「レン君!」
 モモカンの声に阿部が振り向く。

 レンの身体は緑色の光に覆われ、差し出した指先から細い糸が彼らのほうへと伸びている。
 瞳をぎゅっと閉じているその顔色が少しずつ悪くなっているような気がする。
「全員、出来る限り全力を尽くして除虫を完了させろ!…それはレンが作った世界に一つもないだろう、癒し手の力が入った「障壁」だ。お前らが終わらせるか、レンが倒れるかの勝負になる。…急げ!」

『了解!』

 全員の声がハモった。


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