| 2 . 除 虫 作 業 |
| 今日は他大学とのコンパだったのになー。 『おい、水谷』 はいはーい。なんでしょーか?骨伝道のイヤホン付きマイクは今日も明るく元気良く、「結界士」の花井が作った「結界」の中で「目」であるタレ目の君の声をひろってますよー。 『なに?』 『遭遇。予定時間…』 え、なになに? 『すぐ』 「のひゃぁぁぁ!」 目の前にゾンビ映画もびっくりな人間の成れの果てが出てくる。「虫」にやられたんだ。 「よっと。」 右手をピストルの形にして、小さい呼吸とともに出す。1メートルほどの細い光の線。「刀だせよ。」とか「スターウォーズみたいなの出せ。」とか言われてるけどさー、いいじゃん、別に。これで倒せるんだから。カタチにゃこだわらないの。オレ。 「はっ!」 オレが出した光は、その「虫」ごと人の頭から股間まで一刀両断する。ほら。…じゃない! 『阿部!殺す気か!』 『あと一体。1時の方角から約三秒。』 あー、憎たらしいったらありゃしねぇ。 今度は出てきた瞬間に躊躇うことなく一刀両断。 『阿部!以下略!』 『ウゼえ。照明弾うまく打てるようになれねーで一人前の光撃士かよ、クソ光撃士。』 『クソは今に始まったことじゃないから。』 会話に入ってくるのは栄口。うわっ 『阿部、あと何体?』 いつものあの笑みを浮かべながらきいてるんだろーなーとか思ったりして。オレ。 『残り…20体。…田島が今一体撃った。あと19体。』 なに?その多さ。 『栄口、あと20秒ほどでそこの角から泉が出てくるから合流。その後、その廊下を直進して田島と合流…田島』 『なにー?』 …楽しんでますね、田島クン。おにーさんもその若さ、少し頂戴。 『そこのドアをまだ破壊するな。虫ウジャウジャなんだが…』 『なんだ?』 割り込んだ声は泉だな。 『栄口と合流。で、なんだ?阿部。』 泉の苛々とした声。阿部の次にカルシウムの心配をしているヤツだ。 『そこに虫もいるけど…生体反応がある。』 どゆこと? 『人型だ。そのドアの中に人と虫が一緒にいる。』 『なにーっ!』 ありえねー、うっそ、マジか?と三人三様の言葉が出る。 『それの状態はここから「見え」ない。てめーら行って見て来い。…あ、水谷。』 『なに?』 オレもそこに合流?衝撃士二人に空撃士一人、それだけいれば19体なんて楽勝でしょ? 『お前は1ブロック後退して窓から完了の照明弾の準備。』 『失敗したらトイレ掃除。』 『失敗したらオレ、マック。』 『オレも。フィレオフィッシュのバリューセット、あ、ラージセットな。』 …栄口、泉、田島…オレを何だと思ってる? 『水谷の考えはお見通し。何だと思ってるとか思ってるでしょ?』 ぎく。 『甘いなぁ、だからこの間のコンパでフラれるんだよ』 『ちょっと待て、栄口クン。なんで大学行ってないのに知ってるの?』 『泉・栄口、田島と合流。』 『了解。5秒後、泉、扉を破壊、即効で田島突入、栄口、援護』 『それは企業秘密だね。がんばって照明弾作ってね♪…阿部、了解。』 『了解』 『りょーかいっ、と。』 オレは水谷文貴。光を使って虫を撃ったり切ったり照明弾あげたりする「除虫者」の分類で言うと光撃士といわれてるけど…。 『がんばれよー、クソ光撃士!』 一番年下の衝撃士である田島からもこの扱いはどうなのでしょう。 フツーの大学生みたいにリクルート・スーツ、着てみたかったよ。くすん。 |
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なぜか水谷からはじまりました、この話、各キャラクターを出しながら、ずんずんといっきまーす。