タマゴの中身はイッショウケンメイ考えていた。
(三橋のおめめ、見てみたい♪まんまる♪おめめ、見てみたい♪)
フミキはいつもいつもうたいながらこのないたカタマリをかりかりとひっかいてくれた。たまにこちんこちんとたたいてくれた。
だから、と。
少しだけカタマリをたたいてみた。
ぽろり。
あんなにシュウちゃんが叩いてもびくともしなかったのが、カンタンにおちてしまった。入ってくる光がまぶしい。
「三橋のおめめ、見てみたい♪」
フミキが穴から見てくる。
ちょっと穴から見てみる。フミキのおめめ、きれいだ。
ユウイチロウとコウスケのおめめ、どんな色してるんだろう。
ユウイチロウにゆめのなかでちょっと見たとき、あまりわからなかったから。
カタマリの中で、ゆらゆらとゆれてかんがえる。
ゆらっ
ひときわカタマリがおおきくゆれた。そしてそのままもとのとこにもどらない。
ひゃ、と感じたことについていけないまま、そのまま…
ぱっしゃーん!
すって、はいて、そしてにっこり。
第3話 ふたりと早春とむくむくおむつ
カタマリが、われちゃって、まぶしい光がぱーって入ってくる。まえみたいにおしりがやわらかいのでつつまれる。
きょろ、とみまわす。みどりいろの草といろんな色のお花さんがおめでとうっていってくれる。
ちかくにあったかべにてをついて、んしょ。と立ってみる。よろよろってしながらも立ってみた。
てくてくあるいてみる。
でも。
「こんなとこでおむついっちょであるいてるのはだーれだ?」
びっくりしすぎてころんだ。
はじめてきく声にそぉーっと見ると
おおきな人が立っていた。
ヨシロウは、目の前にいる、ちっこい生き物を見ていた。
農家出身のユウイチロウがいるが、彼だって武の神官だ。仕事が入る時はままある。他の神官もなかなか板についてきたが、発育状況を確認して、ユウイチロウかユウトに報告する必要がある。その為に裏庭に出てきたら…
ちっこいのがユウイチロウの窓の近くに落ちていた。むくむくおむついっちょで…まあ、この季節の昼間、風邪はひかないだろうと思うが…
そしてこれが重要。
このちっこいのは自分に脅えている。ということだ。まだ泣いていない。という状況。どうすればいいか。
持ち前の笑顔を出す…商人なのですぐに出すことも可能だが、これは目の前のちっこいのが可愛いので、自然と出た。
しゃがみこんで、視線をあわすと、再度にっこり。
「そこは寒いからな、日向に行って日向ぼっこしよう?」
う。という声が聞こえる。
「いや?」
「うー」
ぷるぷると小さく首を振る。
「そっか。ならおにーさんがだっこしていこう。」
ひょい、とだっこする。う、ぉ。と声をあげ、反射的にヨシロウにしがみつく。
「落とさないからな〜。怖がらなくていいぞ。おにーさんはヨシロウっていうんだぞー。」
「う」
ぎゅうぎゅうに抱きついてくるちっこいのに苦笑しながら、ここ一帯に行商している商人、ヨシロウはゆっくりと歩きだした。