外に出る5人(三橋除く)は相撲取りのようにぷくんぷくんになっていたが、最後の圧縮作業で、見事なまでにファイアウォール以前と同じくらいの動き…日常生活に全く問題ないレベル…になった。
三橋を見ると、自分たちの何十倍もの速度でファイアウォールを身にまとい、圧縮をかけた。
「準備は万端?」
花井から送られたマーカーを三橋に埋め込んでもらいながら水谷が口を開く。
攻撃は断続的に起きているが、10パーセントもダメージがくるまでに回復するタフぶりだ。
「マーカーからの発信はオールグリーン!」
「システムに問題なし!」
栄口と沖からの報告を受け、5人は頷きあう。
「巣山く ん、西 広くん。」
三橋は二人を呼び、目の前になにやら良くわからない図と表がでているグラフィックを呼び出した。
「全員の、バイタル、で す。」
見ると下の方に名前があり、図や表が細かい数字やグラフで細かく動いている。
「危険と、…危険 と感知した、ら。名前を強く…押して 下さい!」
転移をランダムに繰り返し、ホームに戻るとの事。巣山はごくりと唾を飲み…西広と同時に頷いた。
「三橋~!そろそろ出撃オッケー?」
わくわくを顔全体で表現しながら田島が尋ねる。
「う、うん!」
「どうやって行くんだ?ランダムか?」
「ランダムは、危険!」
「三橋~!一人、ホーム側の防御に回さないと流石に面倒だ!」
モニターを見ていた浜田が唸りながら声をあげる。
「オレが防御する!」
水谷が意外にも手を挙げる。
「このホームは今最前線でしょ?役にたてばクソレ返上にもなるし。」
「ならねーよ!」と阿部に即答され、がくんとなる。
「み、みず、水谷く…」
よろしくお願いします。
三橋に言われたら仕方ない。「おう!三橋たちがぶっつぶすのを待ってるぜ!」
泉が無言で手を前に伸ばす。気づいた田島がその手の上に手を重ねる。
次々と乗せられる手。その様子を中継していた西広が最後に手を乗せる。
『全員で退治だ!行くぞ!』
声は花井。西広はこれを頼んでいた。
『おおっ!』
全員が大きな声で気合いを入れて手を下に押し付けあう。
「水谷はここ周辺のゴミ退治。三橋、いけるな!」
「う、ん!」
阿部の言葉に三橋は深く頷く。
ホームの中心に出入口ゲートが開く。三橋を筆頭に次々と中に入り、外へと出ていく。
他の者たちからの声援を受けながら、5人が消え、ゲートが閉じた。
残った者たちはハラハラしながらも作業に戻った。