| 除虫屋・ニシウラ ニシウラの小旅行・6・前 |
ごきゅっ、ごきゅっ、ごきゅっ、ごきゅっ、ごきゅっ………
「ぷはぁ!オレの勝ち!」
風呂あがりにはやっぱこれ!と田島が指さすのは…やはり瓶牛乳の販売。牛乳、フルーツ牛乳、イチゴ牛乳、コーヒー牛乳と全てが揃っている。
誰が一番早く飲めるか?
成人組はさっさと浴衣に着替えてさっそくビールだぜーおー!と騒いでいるが、未成年組はビールなんていらない。とりあえずは風呂上がりの牛乳勝負だ。
びし、とフルーツ牛乳をかかげたのは…泉。ついで田島が牛乳をかかげる。レンは……こくこくとイチゴ牛乳を飲んでいる。ちなみに三人ともに素っ裸に腰にタオルである。レンに正しいビン牛乳の飲み方(腰に手をあて…というヤツ)をレクチャーした田島は早速早飲み大会を開始したのである。
漸くレンが飲み終わり、湯でほかほかになった体に冷たいものはこれまた気持ちいいなと三人が笑い合う。その時。
ピーッピーッピーッピーッ
自分たちのロッカーの中から緊急除虫作業を告げる携帯が鳴っている。周りの視線が痛いがそれは仕方がない。あわててロッカーを開け、携帯電話の形をとったものを取り出す。
「え?」
「は?」
「う。」
三人とも凍り付いて、ついで顔を見合わせ…とった手段は。
「とりあえず甚平着ろ!」
泉の号令のもと、三人は慌てて腰のタオルをとり、ざざざと近くにあった甚平を手に取る。
「ぱ…」
「パンツはあとででも平気だろ。」
さりげなく問題発言している事にきづいていない泉だが、行動も問題である。本当に下着をつけずに甚平を着ている。
「いいのか?」
「いーだろ。蒸れるより擦れるだ。」
虫発生場所はここの屋上。足湯の所らしい。今、館内の者が4階まで避難誘導しているらしい。
「よしっ、行けるか?」
「おう!」
「……ごめんなさい。」
着替え方が分からないというレンの為、泉がひもの結び方をレクチャーして、とびだしたのは2分後。
館内放送では屋上より低い7階で火災が発生した為、ゆっくりと避難して下さいというアナウンスが流れている。
三人はダッシュで屋上へと向かった。