| 「今まで癒し手の眠りにならなかったのは、自分のみに限定していたからだろう。」 阿部はばさっと書類を置いた。その下には50センチ。隣も、その隣も書類。…今回の癒し手の眠りに書かれた報告書にリアルタイムで報告されたレンの状態、それを研究した研究員のレポート(の下書き:日本語)エトセトラエトセトラ、と居間のテーブルにのっそりと置かれている。 「ニシウラ側からはその理屈でいくのか?」 花井が阿部に尋ねる。 「それ以外に考えられるこたねーからな。」 レンが今まで癒し手の眠りに入らなかったのは、今まで自分のみに小規模な力を発動していたからであり、レンの最初の戦闘の時に多人数用の癒し手の眠りが発動し、それから様々な所で使用してきた。回数をカウントしてなかったのは研究所員に睨まれたが、全員の記憶を頼りに相手に行った回数は50回を超えた。しかもそのうち1回は重体及び重傷の戦闘員と補助戦闘員の怪我を治したという大技もある。どれだけレンに負担をかけていたのだろう。 「これからは回数とか重度とかみながらレンの力を使わねぇとな。」 阿部がぐでーとなりながら紙類のない場所へと突っ伏した。彼の目にはくま。くまくまくまくまくま。 巣山と花井の目にもくま。くまくまくま。 「ニシウラからのレポートは日本語でいいんだよな?」 巣山が続けて突っ伏しながら尋ねる。 「あー、いいんだと思う。」 花井も突っ伏す。 うだー、としている三人に、栄口はいつ眠気覚ましのコーヒーを差し入れするか考えていた。 「これからまだ書かないとダメなんだよなー。」 「うんそう。」 「巣山、書け。」 「阿部こそ書け。」 『花井書け。』 「そこで手を結ぶ?巣山と阿部!」 そこに天使の声が二人、居間に今、入ってきた。 「おーい、手は必要?」 「手伝えることあれば手伝うけど?」 『沖(様)!西広(様)!』 「二人とも、やるコトぁ簡単だ。それ読んで、ニシウラからの所見と書類を提出。」 「叩き台と下書きは作ったから。」 「もうあとはキーボードで打ってプリントアウトすればいいから。」 この紙の束を読め、と。と沖と西広がビビッている時。 「はいはい。要点はもう書いたんだからそれ読めばいいんだろ?阿部は助けの手を逃したいわけ?」 人数分のコーヒーののったトレーを持った栄口がばーんと立っていた。 「あー、栄口!」 「天の助け。砂糖たっぷりミルクたっぷり。」 「なんだ要点書いたのがあるんだ。」 「それ見せてくれたら、訂正入れながらオレらで入力しちゃうよ。」 「感謝…。」 「わ、阿部が死んだ。」 「え、あ 阿部くん が?」 「レン、これは病気じゃないからやらなくていいよ?」 「そこら辺に転がしておけば起きるから。」 「レン!また練習付き合って〜!」 「まだレン、完全に復活してないからダメだろ?」 「平気 だ よ? 20日近くも動いてなかった か ら!」 「まぁ、あのいなし方ならレンには丁度いいか。」 「なんだよ泉!それひでぇ!レンから一勝とるまで勝たねぇ…じゃない。負けねぇ!」 「なら頑張れよー。」 「おう!」 「う ん!」 沖と西広の魂も半分抜けるのは2日後。なお、癒し手の最初のおしごとは「強力リゲ○ン」代用として、各自の疲労回復にあたったとか………。 何はともあれ、次の除虫作業の時には本当の意味で、除虫デビューする、レンとにしうらーぜであり、またいつもの日常が楽しげに待ちかまえていたのである。 |
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今日も元気なニシウラがもどってきました。くま。