「なぁ…レン。」
 熱のピークは昨日だったらしく、今日は微熱へと下がってきている。だけどさっきのショックか何かでまたあがってしまった。栄口がササミ入りの粥を作っているだろう。その時に飲ます解熱剤は昨日の昼間、レンに内緒で医者からもらってきた少し強めの解熱剤だ。眠くなる効果が強いらしく、レンはトイレと食事以外は全て眠っている。
「あのちょうちょ、綺麗だったなー。」

 自分の膝小僧に、羽根を広げて治していくちょうちょ。

 内気で、あまり外に出たがらないレンを連れ出したのは、自分と浜田だった。浜田もちょこちょこ着いてくるレンをちゃんと世話して、みんなに交じって遊んでいた。

「オレの、膝になんかとまらなけりゃ良かったのに。」
「そんなことを言うもんじゃないよ。」
 振り向くと栄口がお盆片手に立っている。いいにおいが漂って、田島の腹をぐぐぐぅと鳴らす。
「もしも田島じゃなくて浜…?」
「浜田。」
「浜田とかいう人が、もしくは一緒に遊んでいた子が怪我しても、結局レンは治していたと思うよ。」
 そう言われて確かに、と思う。レンはちょっとずれている?けど優しい。そして信じられないくらいに自分に厳しい所もある。その優しさを削り取り、厳しく激しいところを向きだし状態にしたのがWindだと思っている。
「田島、レンに晩ご飯食べさせるから、起こすの手伝ってもらっていい?」
「あったりまえじゃん。」
 サイドテーブルに粥の入ったお盆を置き、栄口がぴたぴたとレンの頰を叩く。
「レン、晩ご飯だよ。起きて。」
「ご…はん……」
 むにゃむにゃ言いながらレンが起きてくる。ふらつく体の下にすかさず枕を入れ、安定させる。
「レン、寝ながら食ったらやけどすっぞ?」
 ほっぺた摘んでふにふにとしてみる。田島!と栄口がたしなめたが無視してふにふにふに…。

 ぷるぷるぷるっ

 それを嫌がるように頭を振るレン。それで目覚めたらしい。
「あ…田島く ん。栄口くん。」
 おはようござい ま す。
 田島と栄口は苦笑しながら「もう深夜だけどおはよう」との返事を返した。

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はい、この所はHTML加筆にともないアップされた「ブログにない話」です。