すって、はいて、そしてにっこり外伝
「二人と一方通行の会話とたまご」


 ニシウラのはずれのちょっと大きな神殿に9人の神官が住んでいる。ある日、拾ってきたタマゴは聖なる気を放っており、中に何が入ってるかどうかはわからない。でもユウイチロウが名前だけは夢の中で聞いてきた。
 聖なるたまごの中に入ってるモノの名前。三橋 廉。それの世話係として、コウスケとユウイチロウ。
 大きくなったり小さくなったりしてる不思議なタマゴだけど、ここんとこちょーっと大きくなったかな?と思う。
 天気のいい時はあったかい所に置いて、雨の日は自分のベッドの上に。
 中で寝てるのかどうかもわからないけど、とりあえず二人は話しかけてみる。
「おーい、三橋ー。おっはよー。」
「はよ。三橋。」
 二人の生活はこうして始まる。
「今日な、オレの好きな花が咲いたんだ。」
「え?ユウイチロウに花を愛でるなんて趣味あったんかよ?」
「いーじゃんか!花が咲くってことは今年も絶対に実がなるってことなんだから!」
「…そーゆーわけか。三橋、果物とられないようにすんだぞ?」
「三橋のぶんはとらねーよ!」
「どーだか。わかんねーぞ?」
「コウスケぇ…たまご脅えさせてどーすんだよ!」
「脅えたか?悪ィ。」
「今年も甘い実が食べられるかなと思うと…もうよだれが…」
「お前…それはまだ早いだろ…。」
「三橋も食べたいと思わないか?甘酸っぱくて、美味しい実なんだぞ?」
「確かに…あの実は美味いけど…」
「三橋、早くタマゴでかくして、でてこーい。美味しい実がなる前に出てくると、もれなく食べられるぞー。」
「三橋ってそんなに食欲魔人にしていいのかよ?」
「食欲ないとつまらないじゃんか!食べ物の神様に感謝!」
「まぁ、そうだな。タカヤの作った食事は正直食べたくない。」
「でも…ショウジのは……」
「よそう。ショウジのが食べられるのはこの世には誰もいない。」
「三橋もショウジの作った料理が食べたいなんて言っちゃ絶対だめだかんなー!」

「コウスケ……好きなんだっ!」
「そうか……やらねーよ。お前の好物なんて知らねぇし。」
「それ好きなんだー!たまにしか入らないし、自分のもう食べちまったし!」
「やらねーよ。」
「半分!」
「あほか?」
「三分の一!」
「何の冗談!」
「3口!」
「それは全部って言ってるだろお前。」
「んじゃ一口!」
「知の神官とかがたまに使う薬の調合用匙でひとすくいなら考えてやってもいい。」
「味わかんねーよ。」
「んじゃあ空想の中で味わえ。」
「ひっでー、ひどいと思わねーか三橋。コウスケこうやってオレをいじめるんだぜ?一人だけ美味いモン食べてさー。」
「何人聞きの悪いこといってんだよ!ユウイチロウは先に食べたんだろーが!」
「小さいの。」
「うそこけ。」
「ホントーだって。でっかいの目の前でタカヤにとられたんだぜ?あーちくしょームカツク!」
「タカヤの黒い口車に勝てる勇気があんなら取り返してこい。」
「大変だからやーだー。タカヤウザいし。」
「それについては激しく同感だ。」
「あーあー、なんか見てると余計に腹減ってくる。」
「道草でも食ってろ。」
「三橋ー、コウスケひどいと思わねぇか?」
「お前にひどいひどくない言われる筋合い全くない!」
「そうかー?」
「じーっと見るな。減る。」
「あ、ばれた?」
「ばれるわ!」
「三橋、コウスケにモノねだる時はこうやってじーっと見るんだぞ?」
「タマゴに変なこと教えるな!」
「………なぁ、ユウイチロウ。」
「………なんだ?コウスケ。」
「でっかくなってないか?タマゴ。」
「オレもそう言おうとしてた。」
「お前にそっくりの食欲魔人…いや、魔タマゴ?」
「いーじゃんか!三橋ー。うまいモン食べたければもっともっと大きくなって、早くでてこーい。」
「おお。後半は同意見。お前を早く見てみたいな。」
「みんな同じ考えだからな!すんげぇ楽しみにしてっから!」
「聖なるタマゴだろーがなんだろーが、三橋は三橋だからな。」
「早くあってみたいんだよな!一緒にうまいもん食べよーぜ!」
「結局ユウイチロウの頭には食欲しかねーんかよ!」
「え?あとオナ…」
「ストップ。タマゴの前で言っていい事と悪い……お前、タマゴの前でやったことねーだろーな?」
「え?あるよ?」
「こンのバカ野郎!(蹴り)」
「(避けっ)ちゃんとタマゴは毛布で隠したし、だいじょーぶなんじゃないのか?」
「そういう問題かよ……」
「それにしても……こいつに……ちんこついてんのかな?」
「知るかボケぇ!」
「早く出てこいよー。」
「できれば昼間に、な。このタコイチロウがロクでもない時に出てきてもバカがうつるだけだからな。」
「ひっでぇな…コウスケ。」
「基本的なことを言ったまでだ。まだユウトからでた法術の勉強終わってないんだろ?」
「う…(汗)」
「それで適当に使いこなすんだから……ロクでもねーヤツだよ。今日は三橋はオレんところで預かるから。」
「ちょ…ひでー!コウスケ!」
「いいだろうが!お前勉強。オレ三橋と会話。後で外でショウジあたりと茶してもいいな。」
「ちっくしょー!」
「三橋は早く生まれること。ユウイチロウは早く勉強を終わらせること。じゃあな!」
「あ、ひっでー。」