
と、その前に話は数日前にさかのぼる。
阿部と花井と田島と三橋が9組のクラスに入った時、廊下側の最後列に座っていた女子が「あ、お金早く払って!」と声をかけたのだ。
三橋に。
「え、あ、う…… ?」
わき上がる疑問符。田島も顔がクエスチョンマークになっている。
と、その隣にいた女子が「バカねー、三橋君は男でしょーが!」とツッコミを入れてくる。
「…あ、ああああああ、そうだった。ごめんねー、三橋くん。何でもないから。」
ささ、入ってはいって、と促され、4人は入る。
「…なんだろ ね?」
「さぁ。」
その時に語られた話を、少しをば。
「ダメじゃなーい。たとえ三橋君があの格好してたからって…」
女子の一人がぼそぼそっと小声で言う。
「まぁ、そうなんだけど、あれ見てからあたし、三橋君の姿見るたびにあの姿を思い浮かべちゃって…。」
『気持ちは分かる。』
そこにいた女子全員が頷いた。
バレンタインの次の日、クラス内で付き合っていた男子から、その彼女に写メがきた。実は、先日の浜田主催による「男子救済チョコレート大作戦」で意気投合して、一緒に帰りの途中で彼女がコンビニに走り寄り、「安いけど、付き合って下さい。」でできあがったという曰く付きのカップルだ。…とそんなことはさておき、タイトルは「料理を失敗して泣く新妻」だった。見ると、確かに未だにこんなピラピラしたフリフリしたレースたっぷりのエプロンがあったんだ。と変に感心した。で、でも、曲がりなりにもカレシカノジョとして付き合っているんだからいきなりこんなカワイイ女性なんか送ってほしくない。と思って立ち上がろうとした時…本文を読んで驚愕した。
『それ、三橋』
そう、良く見れば三橋だった。椅子に座って右手で目を押さえている姿。ヒラヒラエプロンも彼を下品にみせることは全く無かった。むしろ…
『萌え。』
すぐ友人数人に転送をかけた。ただし付け加えて。
『それ、三橋君。1年9組から流出禁止』
クラス中の女子の携帯にその写メが送られたのはわずか10分後であった。口々に「かわいいー」「女装じゃないのに女装
なのがイイ!」「これならおよめさんにきてほしいー」「萌えー」と大騒ぎする女子生徒…。
こうして三橋の伝説が一つ、増えた…。
おしまい☆
三橋、オトコ?